
前編 はありがとうございました。続いて後編ですが・・・初めてコーデュラファブリックを使用したのは「SUBU amp」からですか?
はい、以前からお付き合いをしていた鞄屋さんから、SUBUさんのことをご紹介いただいて、当時オフィスがあった都立大学にスーツケースに生地を詰め込んで、お邪魔しました。おそらく2017年とかだったので、もう7年ほど前です。
当時、初めてSUBUを目にした時の印象は、いかがでしたか?
当時「冬のサンダル」というブランドコンセプトを聞いて、ありそうで無いよな〜と思いました。
サンダルって、とても便利で冬も履きたいけど、夏に履くようなサンダルだと当然寒いですよね。そしてどうせ履くなら、やっぱりオシャレで可愛くて、気分が上がる方が嬉しい。
冬でも履ける、便利で、オシャレで、気分が上がるサンダル。面白い!めちゃくちゃいいポイントをついてるな〜と思って、人気が出そうだなと思いました。
その後、展示会に呼んでいただいて、SUBUを履いてみたら・・・驚きました・・・めちゃくちゃ気持ちよくて・・・
これは間違いない、と確信しました。当時ブランドも3年目くらいだったので、いまほど人気ではありませんでしたが、そこからはあっという間でしたね。
SUBU amp シリーズに続いて、いまや大人気の「SUBU NANNEN」でも使用していますよね?
そうですね。キャンプ・アウトドアに最適な「SUBU NANNEN」でも使っていただいています。
そしてこれは裏話ですけど実は、アイデアも提供しています、笑。
妻の友達家族がめちゃくちゃキャンプ好きで自然とSUBUの話になって、「焚き火とかしていると、すぐに穴が空いてしまう・・・」と。早速、府川さんにそのお話をシェアしたら結構、他からもそういうお話があるんです、と。それなら絶対、アッパーを難燃にしたらいいですよね、と。
コロナ禍でキャンプブームが訪れて、最初にお話をしてから少し時間も経っていましたが、最適なタイミングで製品化することが出来ましたね。
妻から話を聞いた時、すぐに電話しましたから、笑。

わざわざ「SUBU NANNEN」用に素材開発もされましたよね?
難燃のコーデュラファブリックは元々あって、要素技術は持っていたので、最も難燃性を高めるためにはどうしたらいいか、どのくらいの糸の太さが最適か、などを府川さんと相談しながら開発を進めました。
キャンプブームで「難燃」がひとつのキーワードになって、色々なところで耳にすることも増えたとは思いますが、SUBUさんで使用している「CORDURA® 305D」は難燃性に加えて、コーデュラ本来が持っている強度も高いので、非常にハイブリッドな素材です。
もちろん、難燃を謳うための基準もあって、そこはしっかりとクリアした生地になります。
少し話は変わりますが・・・「SUBU NANNEN」も含めて「SUBU RE:」など、ブランドとしてもサスティナブルな活動に少しずつ歩み始めています。さまざまなブランド・メーカーとお付き合いしているファブリックブランドとして、その辺りについてはどのようにお考えですか?
ファブリックブランドとしては、「高強度で丈夫で、長持ちする」ので、それはまさにサスティナブルだし、エコフレンドリーですよね、とこれまで一貫してお話をしてきました。
さらにここ最近では、回収したペットボトルから作られる高強度ポリエステルであったり、今まで工場で廃棄してしまっていたものをかき集めて、工場内リサイクルという形で作られる高強度ナイロンであったり「CORDURA re/cor™」というシリーズもあります。
あとは、先ほどお話をしたポリマーの状態で、色を入れるような工夫もしています。
原着糸と呼ばれるもので、糸を引いた状態で既に色が入っていて、生地染めをしなくていいので環境負荷を大幅に抑えることができる「CORDURA TRUELOCK™」というシリーズもあります。
ただコアは、高強度で丈夫で、長く使える、という所ですね。
それでは最後に、SUBUと一緒にチャレンジしたいことなど、今後の展望について教えてください!
いま代表的な素材を使っていただいていますけど、まだまだ色々な素材があるので、僕らが持っている素材をうまく使ってもらえたら、と思っています。
あとは、ここからさらに海外に売って欲しいな〜と、勝手に期待しています。
我々インビスタもグローバル企業なので、もっとSUBUさんもブランドとして世界に進出してくれたら面白いですよね。海外の友人にプレゼントしたりすると、めちゃくちゃ喜んで、気持ちいい!と嬉しそうにしますから。可能性を感じます。
こういうシューズブランドというか、履き物ブランドで日本発で、海外で成功しているブランドってあまり無いですからね、そこを狙って欲しいです。
今後も引き続き、何かお役に立てたら、と思っています。
WORD by gooth.inc
連載企画[SUBU25]とは・・・2020年を皮切りにスタートした連載企画。
この世に[SUBU]が誕生して5年が経ったその節目の年に、これからの「5年間」を見据えていくために活動開始。これまでの「5年間」を振り返りながら、これからの「5年間」に、どう繋げていくか、をこの活動を通じて、見定めます。
その一方、「トゥーゴー」という読み方には、[SUBU]と一緒に出かける、という意味も。単純に[SUBU]を履いて街に出かける、というのもそう、こうして、お話をしたことのない方の元へ出向く、というのもそう。もっと言うと、新しいコトへ、一歩踏み出して、チャレンジする、という意味も。これからこの連載企画を通じて、[SUBU]がさらに、魅力的なブランドへと成長していくことを期待して、活動していきます。
2020.12.28 連載企画[SUBU25]がスタート | 前編 / 連載企画[SUBU25]がスタート | 後編
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